せつないの好き

「せつない」のが好きなのだろう。

せつない部分をくすぐるようなものが。

せつなさを感じる景色が。

団地、夕暮れ時の商店街、路地、誰もいない校庭、川べりの公園。

せつない思い出が。

ほのかな気持ち、通じ合う、と思ったそのあと。

自然と「せつない」方向へすすんでいる。

まっすぐにいけばいいものを、

立ち止まってみたり

そっと横にはいって隠れたり

逆に行ってみたり

そして

あとから

せつなくなる。

「せつない話」でいい。

「せつない話」がいい。

自分がせつないのは、もう、いい。