冬が来る

もう、すぐそこまで来ている。

まだはっきりと姿を現してはいない。

でも、それは確かに冬だ。

足元から冷えるようなこの空気。

体の中が悲しみ、のような薄ら寒いものに

支配されるようなこの予感。

後ろを振り返りたくなるこのにおい。

どんよりとどっしりとした塊が

私の中へ入り込もうとしている。

取り込まれる前に・・・もう少し。

もう少しだけ、時間が欲しい。

もう少しだけ、このまま浸らせて。

もう少しだけ、思考させて、