実は初

突然部屋の明かりが消えた。

懐中電灯代わりの携帯を持って廊下に出ると

隣のコンゴ人も携帯を持って廊下にいた。

ふたりでフフッと笑う。

一緒に警備員のいる別棟に行く。

みんなも携帯を持って廊下をうろうろしている。

ぴかぴかして綺麗。

月も雲の陰から見えて綺麗。

警備員は

「なに、ここでは良くあることだ」

「なんだ、なにか問題あるか?」

「もうこうなったら寝ろ」

「じゃなかったら今日は酒飲みに行ってもいいぞ」

(本当は門限は11時まで)

と上機嫌。

もう仕方ないかな、と思ったところで灯りが着いた。

夕飯は隣のコンゴ人とその友だちの

ザンビア人、セネガル人、リベリア人、

そして私とで外に一緒に食べに行った。

(体調が悪いから断るつもりが言葉の問題で断れず。)

コンゴ人とセネガル人は本科生で中国語はペラペラ。

店の人に「何人だ?」と聞かれて

「中国人だ、でも重慶出身だから普通語は上手くないんだ」

と言い張っていたのが可笑しかった。

店の人も笑っていた。

ジロジロ見られるのを逆手に取ってか

いろいろなことを仕出かすのでちょっとハラハラする。

でも愉快で気持ちのいい人たち。

いつも固まっているから同じ国かと思ってた。

みんな、多分国ではエリートなんだろう。

がんばってね。